あかぎハイツ 第17176号
2018.11.24発行

ほのぼの「あかぎハイツ」はオーナーさんが手づくりでリノベーションするマンション(前編)

毎日の帰り道、住んでいるマンションの景色が見えるだけでなんだかほっとする。玄関を開けるとほのぼのする空間が出迎えてくれる。
自分の家がそんな雰囲気のところだったとしたら、それはとても居心地が良くて幸せなことなのではないでしょうか。

omusubi不動産が長らく募集させて頂いている「ほのぼのあかぎハイツ」は、まさにそんな物件です。築40年以上、レトロなレンガや、四季折々の植栽が目を楽しませてくれるエントランスが特徴的なこのマンション。

でも、一番このマンションをほっとする空間にしているのは、大家さんである「赤城さんファミリー」なんです。

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赤城芳博さんは、親しみを込めてみんなから「よっちゃん」と呼ばれる存在。奥さんの赤城真樹子さん(まきちゃん)は、よっちゃんやあかぎハイツを様々な面からサポートしています。

社長さんであるよっちゃんのお父さんやお姉さん、そしてよっちゃんとまきちゃん。家族みんなで日々行き届いた管理をしながら、自分たちでお部屋のセルフリノベーションを行ったり、マーケットを開催したりと、日々を過ごす上で居心地のいい空間にしてくれています。

今回は、よっちゃんとまきちゃんに、omusubi不動産の殿塚がインタビュー。

空室が目立つ古いマンションだったあかぎハイツが、どんな風に今のような「あかぎハイツ」になったのか。そしてこれからのあかぎハイツがどうなっていくのかなどを、ざっくばらんに伺いました。
今回は、前後編でお届けします!

■地域の人なら誰でも知ってるマンション、あかぎハイツ■
新京成線みのり台駅から徒歩5分。個人商店が多い通りを抜け、静かな住宅街の中を進むと、レンガの外壁が印象的なマンションがみえてきます。

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ここ「あかぎハイツ」は、赤城さん親子3代にわたって続く築40年以上のマンション。もともと1階には赤城さんが営んでいたあかぎマートというスーパーがありました。昔からの入居者さんによると、「この辺に住んでいる人のはじめてのおつかいはあかぎマート」と言われていたほど、地域から愛されていたそう。

しかし、数年前にはなかなか入居者さんが増えず、空き部屋が目立つようになってしまっていました。

そうした中、もともと知り合いだったよっちゃんと殿塚がご飯を食べたり、一緒に他のomusubiで扱っている物件を見に行ったことをきっかけに、あかぎハイツとomusubi不動産が関わるようになっていきます。

殿塚:あかぎハイツって、実はomusubiの第一号物件なんだよね。omusubi不動産始める時によっちゃんと一緒にご飯食べに行って。その時何話したかあんまり覚えてないんだけど、よっちゃんがすごく緊張してたのは覚えてる。笑

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まきちゃん:私も、よっちゃんがすごい緊張して出ていったの覚えてるよ。人見知りだからね。

殿塚:いつだったか、一緒にロッコーハイツ(*)のオーナーのネンくんのところに遊びに行って。ネンくんは、DIYでロッコーハイツを1部屋改装してて、それがうまくいって、徐々にネンくんにロッコーハイツが任されるようになっていった。そのとき、ネンくんが、「よっちゃんもやっちゃえばいいんだよ」って言ってたね。笑
よっちゃんがDIYで改装し始めたのは4年くらい前かな。なんで自分でリノベーションしようと思ったの?

よっちゃん:それまでも、ちょっとした内装作業はやってたんだよね。あと、職人さんの作業はずっと立ち会ってたの。作業を見てたら、だんだん自分でもやれるんじゃないかって気がしてきて。

殿塚:それすごいね!なかなか、職人さんの作業を見てるだけじゃできる気にはならないよ。笑

まきちゃん:よっちゃんってそういうところあるよね。笑

よっちゃん:「自分で全部改装やってみたらどんな感じになるんだろう?」って思って、社長がいないときに、こっそり1部屋壊しちゃったんだよね。笑

まきちゃん:そしたらそこは自分たちで住みなさいって話になって。よっちゃんのリノベ第1号として、自分たちで住む部屋をつくることになったんだよね。

殿塚:そのときの様子はomusubiのホームページでも紹介してもらったんだよね。初めての改装で、あれだけちゃんと造れるってすごいよ。

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(よっちゃんの自宅リノベーションの様子は、以前コラムとして連載してくださった「月刊あかぎハイツ」からご覧いただけます♪)

*ロッコーハイツ・・築年数が古くてエレベーターが無く、最寄りの駅から徒歩15分以上のマンションの5階のワンフロアを、オーナーのネンさんがセルフリノベーションして人気物件になったマンション。
物件情報はこちら!(現在は満室となっています)

■DIYができる物件としての「あかぎハイツ」へ■

殿塚:それから、他のお部屋もDIY可能にして貸し出すことになったんだよね。最初は、omusubiで扱ってる他のDIY可能物件みたいに、入居者さんにお任せして。

よっちゃん:色々変わってきたよね。

殿塚:結局、経験がない人にとっては難しいから、よっちゃんが相談に乗りますっていう形にして。だったら、よっちゃんに相談して作る「カスタマイズ賃貸」みたいな方法でやってみようって話になったんだよね。
カスタマイズ賃貸はやってみてどうだった?

よっちゃん:2組の入居者さんとやったんだけど、すごくいい人たちで。

まきこさん:終わった後、入居者さんともすごく仲良くなったよね。私もその前は、入居者さんのこと全然知らなかったけどご飯とかも行くようになったし、この間開催したフリマも一緒にやってもらって。それがすごく楽しかったよね。

殿塚:最近はよっちゃんが全部改装した部屋も募集を始めて、すぐ決まったね。だんだんよっちゃんがお客さんがこういうお部屋を求めているのかなっていうのを自分で感じてつくっている気がする。

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よっちゃんがDIYでリノベーションした605号室。

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こちらもよっちゃんによるDIYで改装された、207号室。

■リノベーションを通じて、やりたかった仕事が形になる■

殿塚:あかぎハイツは、数年前からDIYがOKな物件になったけど、あかぎハイツ的にそれがちょっとした革命みたいなものだったよね。
部屋を壁塗りOKにしたら、もう少しやってみたいっていう人が出てきて。よっちゃんがその人たちを手伝うようになったら、だんだんよっちゃん自身がお客さんの求めるものがわかって、最初から作る方向になっていった。
どんどん積み重なってる感じがするよね。

よっちゃん:とのくんが、こうしてみたら?って言ってたことがだんだん現実になってきたなって思う。最初は否定しちゃうんだけど、言われた通りになっていくんだよね。

まきこさん:部屋の感じとかね。

よっちゃん:カスタマイズ賃貸をする前に、シンプルな感じの改装を一部屋やってみたら?ってとのくんが言ってくれてたんだけど、そのときは「カスタマイズするんだ!」って思ってて。でもある程度やってみて、カスタマイズ賃貸に満足して、そのあとはシンプルなリノベーションをやるようになったね。
ちゃんと作ることができることも一回示したかったというか。「できないけど何とかここまでできた」より、「できるんだけどあえてここです」の方がいいじゃない。笑

まきこさん:わかるけどね。

よっちゃん:それに、自分でやりたいことが色々あったの。大家さんというよりは、設計士さんみたいな感じに近いかな。でも職人さんに頼もうとすると、どんどん値段が上がっちゃう。作業しながら調整することも多いから、結局自分でやったほうが早いなって思ったんだよね。

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自宅を改装中のよっちゃん。

殿塚:よっちゃんの中にやりたいことがすごくたくさんあるんだね。

よっちゃん:こうなったらいいなって考えて、作業するのが好きなんだと思う。


■自分から“大家です”と言えるようになった■

殿塚:いつから設計を考えたり、DIYしたりするのが好きなんだなって気づいたの?

よっちゃん:いつだろう?大家業始めて、だんだん自分でつくるようになってからかな。

殿塚:よっちゃん、最初まきちゃんに出会った時は「大家さん」って言ってなかったんだよね。なんて言ってたんだっけ?

まきこさん:ビルメンテナンス業。笑

殿塚:よっちゃんは、自分が大家さんになりたかったわけではなくて、たまたま家族が大家さんだったわけじゃない?周りからの見られ方も色々あると思うんだけど、大家さんって言いにくいこともあるのかなって思って。

よっちゃん:あかぎハイツの1階であかぎマートをやっていた頃は、小学校の社会科見学で、うちに来たりするのが普通だったよ。
大家さんって苦労しなくてもお金が入ってくる、みたいなイメージもあるじゃない?それがあんまり好きじゃなかった。
あ、でもね、今は大家さんって言ってるよ。

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殿塚:すごいね。それってなんでなのかな?

よっちゃん:これまでの仕事は、マンション内の掃除が中心だったのね。でも最近は、やることが充実してきた。

殿塚:今は内見の時に、よっちゃんも来てくれて。なんか、それだけでお客さんも安心してくれるんだよね。笑
入る前からよっちゃんも入居者さんにお会いしてるから、入居者さんから直接「ありがとう」って言われるようになったり、何かあったときに、よっちゃんが来てくれて嬉しいって感じてくれてたりすることが、段々よっちゃんにも伝わってきたのかな。

よっちゃん:そうだね。昔は今から比べるとだいぶゆるく仕事してた気がするね。笑

まきこさん:そばで見ていても、最近はちゃんと大家業をやってるって感じがするしね。いつのまにか、よっちゃんにちょっと自信がついたのかなって思うよ。

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入居者さんたちのDIYサポート、そして自ら行うリノベーションを通じて、自分なりの「大家さん」としての仕事を実現してきたよっちゃん。
それにともなって、徐々にあかぎハイツのイメージも変わっていきました。

後編では、今のあかぎハイツのかたちをつくる大きなきっかけになったまきこさんの存在を通じて、新しい大家さんの在り方やこれからの「あかぎハイツ」についてお話を伺っていきます。

お楽しみに!

後編はこちらからご覧いただけます。
これまでにない新しい”大家さん”像をつくっていく「ほのぼのあかぎハイツ」 (後編)
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