イベントレポート 第38240号
2022.2.20発行

家族の絆が深まるリノベーション。「リノベルームツアー」イベントレポート

家族のコミュニケーションの基盤であり、個人の暮らしと密接に関わる“家”。

もちろん家のかたちは家族構成や予算などによってさまざまですが、そこには住む人自身が理想の暮らしを叶えるための“願い”が込められているように思えてなりません。

リノベルームツアーの様子

この日お邪魔したのは、omusubi不動産を通して物件をご購入いただき、リノベーション工事を施工したUさんのお宅。
ZOOM中継でお部屋をご紹介する、リノベルームツアーの舞台となるお部屋です。

こだわりつくされたように見えるUさんのお宅ですが、もとの物件の残せるところは残し、なるべく予算を抑えながらも暮らしやすく設計されているのが印象的。

「リノベルームツアー」では、そんなUさんのお宅のリノベーションのポイントやリノベ後の現在のお部屋の様子を、omusubi不動産の市川を進行役に、施工を担当したHandiHouse project(ハンディハウスプロジェクト)の須藤さん、荒木さん、坂田さんをゲストにお迎えしてご紹介しました。

リノベルームツアーの様子

こちらの記事ではそんなツアーの様子を、写真と動画でたっぷりお届けします。
当日参加できなかった方も、またリノベーションや物件のご購入を検討している方も、ぜひ参考にしてみてください!

〜目次〜
なぜ“マンションリノベーション”だったの?
つくる人と住む人、二人三脚のリノベーション
リノベーションのBEFORE / AFTER
プライベートな空間と家族の共用部とのバランス
いざ、ルームツアーへ!
暮らしに愛着を持つ
「ルームツアー」の様子【動画】


なぜ“マンションリノベーション”だったの?

キッチンで料理をする様子

ご夫婦と3人のお子さんの5人で暮らす、 Uさんご家族。
昨年、会社員である旦那さまが45歳のときに、約86㎡の中古マンション物件を購入し、リノベーションを行いました

5人家族ともなると、マンションの他に一戸建ての選択肢も入ってきたはず。
そもそも中古マンション物件を購入し、リノベーションしようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?

「 子どもが3人いて、いずれ1人1部屋を用意しないといけないと考えたときに、まずは一戸建てで探したんです。
ただ、やはり新築で探していると、年齢的なローンの年数から逆算してもなかなか手が出ず、中古なら予算内で住めるかもしれないけれど、果たしてそれで“ときめいた生活”になるのか?と。
そこから、同じ予算で自分たちの好きなようにつくれるリノベを選択肢に考えてみたんです」(旦那さま)

ダイニングで話をする様子

その後、お子さんの学区内で値段と広さのバランスがとれた、現在の中古マンション物件を内見。
物件購入前にomusubi不動産の市川がHandiHouse projectさんをご紹介し、まずは予算との兼ね合いで理想のリノベーションが実現できるかどうかをUさんに検討していただきました。

はじめは奥さまの方が乗り気だったというリノベーション。
HandiHouse projectさんとの打ち合わせをする中で旦那さまの方でも具体的なイメージが膨らみ、夫婦ともに納得の上、晴れてマンションリノベーションへと踏み出します。

つくる人と住む人、二人三脚のリノベーション

Uさん宅のお子さんから、HandiHouse projectの須藤さんへ「金メダル」のプレゼント。

今回リノベーションを担当したのは、2011年から活動をはじめるHandiHouse projectさん(以下ハンディさん)。
今は20名ほどのメンバーが所属し、首都圏の住宅リノベーションを中心に、新築の建設、店舗の設計・施工なども行っています。

「妄想から打ち上げまで」を合言葉に掲げるハンディさんの特徴は、建築・内装全般を、設計から工事まで担当しているところ。
HandiHouse project・坂田さんは、自社の取り組みについてこう語っていました。

「建設業においては縦割りの分業が多く、つくる人と住む人の距離が遠くなってしまいがち。
お互いがお互いのことを知らない中で家づくりが進んでいくと、わからないことを気軽に質問したり現場に足を運んだりすることが難しくなってしまうんです。
そういった分業化によるストレスをなくし、お客さんと一緒に考えて、トラブルなども共有しながら二人三脚でつくることを目指しています」(坂田さん)

HandiHouse projectリノベーション施行中の様子
リノベーション施行中のHandiHouse project・荒木さんとUさん宅のお子さん。(撮影:HandiHouse project)

リノベーションのBEFORE / AFTER

そうして二人三脚ではじまったリノベーション。
施工を担当した須藤さんから、物件のBEFORE / AFTERのポイントをご紹介いただきました。

物件自体の間取りは細長く、開口部が東側に偏っているのが特徴。
東側の部屋以外には窓がないため、照明をつけないと昼間でも暗くなっていたのが以前の状態です。

そんな中、Uさんがリノベーションで特に重視していたのがキッチン
料理がしっかりできる設備と、家族のコミュニケーションの中心になる場所であることが理想でした。

学習机で家族がコミュニケーションをとる様子

そしてもう一つのポイントが、お子さんが学校から帰ってきた後も部屋に閉じこもらず、できるだけ親と顔を合わせられるような間取りであること。

リノベーション完成後の間取り図
提供:HandiHouse project

そうして打ち合わせを重ね、いくつかのプランの中から最終的に選んだ間取りがこちら。

キッチン

ご要望の通りに、できるだけキッチンからお子さんたちを見渡すことができ、お子さんからもお父さん・お母さんの存在が確認できるようになっています。

部屋の内窓

居室もきっちりと間仕切らずにいろんな方向に繋がっているのが特徴で、壁の開口部はできるだけ多く、オープンな空間に。
以前の閉塞的な間取りとは打って変わって、光と風が入ってくる気持ちのいい空間になっていました。

プライベートな空間と家族の共用部とのバランス

子供部屋の中の小屋

一方、オープンな設計にすることで、共用部とプライベートとの垣根が難しくなってしまうという問題点も。
そこをクリアしていたのは、ハンディさんならではのユニークなアイデアでした。

ピンクのペンキは入居後にUさん家族で塗装したもの。屋根の上は押し入れがわりに布団を収納していました。

子ども部屋の中にあるのはなんと、さらに小さな子ども部屋
開口部が多くある中でも子どもたちがこもれるスペースも確保できればと、子ども部屋の中に小屋をつくったのだそう。

小屋の中身
Uさん自身がカスタマイズしやすいように、ベニアで設計。

お子さんたちはここでおままごとをしたり、秘密基地のように遊んだり。

さらに驚くべきなのが、この小屋、子どもたち自身が要望を伝えながら、ハンディさんと一緒に手を動かしてつくったということ。
一緒に考え、手を動かしてひとつのものを作る経験は、大人になっても忘れない特別な体験になりそうです。

子供部屋でくつろぐ様子

また、小屋のある子ども部屋自体は、中央で間仕切れるようにドアを両サイドに設置。
将来お子さんが大きくなったときに、それぞれの個室を用意してあげられるようにするためです。

リビングの本棚

また、本をたくさん持っているというUさんのお宅では、お子さんが生活の中で本をすぐ手に取れる環境にしたいとの思いから、本棚を個室の中に置くのではなく、できるだけパブリックスペースに置くように設計されていました。
ここでも自然と、お子さんが部屋の中にこもらずに中間領域で過ごす仕組みが生まれています。

Uさんも実際に住んでみて、ちょうどいいバランスで子どもたちのことを見ることができていると、最初のご要望通りの部屋になっているようでした。

いざ、ルームツアーへ!

そうして完成したUさん家族のお宅。
ここからは、さらに細かくお部屋の中身を見せていただきましょう!

キッチン
旦那さんこだわりのキッチンは、IKEAのシステムキッチンに腰壁を組み合わせて造作。フルオーダーするよりも低予算!
キッチンの五徳
五徳同士の段差がなく繋がっているので、鍋やフライパンの移動がしやすいそう。
ワークスペース
家で落ち着いて仕事ができる、コンパクトなワークスペース。
ファミリークローゼット
家族全員分の収納ができるファミリークローゼット。仕切りを斜めに設計することで、デッドスペースになりがちな間取りを有効活用しています。
エアコン
天井を少し下げて、ビルトインのエアコンを設置。ダクトで各居室に空気を回すことで、今後部屋が間仕切られてもすべての部屋に空調が回るような設計に。
洗面所の黄色い壁は奥さんとお子さんで塗装。この日は須藤さんに、メンテナンスやDIYについてのアドバイスをもらっていました。
小屋の中
お子さんの「ベイブレードをするスペースが欲しい」との要望を叶えた小屋。天井に登って遊ぶことも。

暮らしに愛着を持つ

キッチンで料理をする様子
撮影後、地元「雪村」の餃子を調理していただきました!ごちそうさまでした。

そうしてこの日の「ルームツアー」は終了。
撮影後には、こだわりのキッチンで調理していただいた餃子を、スタッフみんなでご馳走になりました。

ツアーを通してひしひしと感じたのは、ご夫婦やお子さんのひとりひとりがみなこの家に愛着を持ち、楽しく暮らしているということ。
そしてそれを支えているのは、Uさんご家族とハンディさんが力を合わせて楽しみながら住まいをつくっていった過程にもあるように思えてなりません。

次なる部屋を構想中?

またそれは現在進行形で、今も家族の成長とともに進化を続けているようです。

【ルームツアーの様子は、こちらの動画でご紹介しています。ぜひチェックしてみてください!】

▶︎omusubi不動産では賃貸物件のほか、リノベーション済み物件や未内装の中古マンション物件なども取り扱っております。
ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

写真・文章:岩澤春香