イベントレポート 第295号
2014.5.2発行

green drinks 松戸 vol.6 レポート「自給ハウスへようこそ ~暮らし改造会議~」

自給自足の街をテーマに飲み語り合うgreen drinks 松戸。11月25日に開催されたvol.6は
「自給ハウスへようこそ ~暮らし改造会議~」と題し、房総半島のいすみ市で完全に自給的な暮らしをするR工房の佐野洋夫さんをお招きし、家や食べ物など身の回りの物をいかに自給していくか話し合いました。当日の様子をレポートでお伝えいたします。

築40年のセルフビルドのアパート「自給ハウス」とは
今回の会場は通称「自給ハウス」。gd松戸のオーガナイザーである殿塚が住むアパートです。

実はこのアパート、今回のゲストである佐野さんによってセルフビルドで建てられたものなのです。
「俺は彫刻家になるつもりだったんだ。そのためにはアトリエが必要だろ?だからアトリエ兼住居として建てたんだ」

とアパートを建てた理由を語る佐野さん。あまりにさらっとお話しされましたが、その自給力の高さに参加者一同驚きです。基礎から作り始め、ほとんどの作業は自分一人で行ったとのこと。完成までに1年以上かかったそうです。

今回のgd松戸はそんな佐野さんと共に少人数の宅飲み形式で行われました。まずは参加者の自己紹介。松戸の古民家で子ども向けアート教室を行う先生、2013年の衆議院選を目指す26歳の旅人、スイスの車の中で生活していたWebデザイナー、22歳の柏の百姓など多彩な若者が多く集いました。

肝心なのは「観察力」
「家から自給したい人いるかい?」という参加者への質問から佐野さんのトークが始まりました。いきなりの質問に驚きつつも参加者の反応は「興味はあるけどなかなかそこまではふみこめない」という様子です。それに対して「自分で作ると、どこにどういう手間がかかっているとか、何がポイントかわかる」と語る佐野さん。

家や食料など、様々なものを自分で作ることによって「身の回りの物がどうやって作られているか日々意識し、観察して欲しい。」とお話し頂きました。

「家はどうやって建てられるようになったのか」という参加者からの質問に対しては「まずは小さい小屋を作った。基本が出来てしまえば、あとはそれの応用」と答える佐野さん。もちろん最初は苦労されたそうで、この自給ハウスも建築確認を取るために何度もやり直しをしたそうです。

佐野さんの自給に対する本気度はここまででも十分伝わりますが、さらにこんなエピソードもご紹介頂きました。いすみで無農薬米を作っている仲間との会合でのこと。その日の話題はいかに効率的に雑草を生やさずにお米を育てるかで持ちきりになりました。しかし佐野さんはその考え方に異論を唱えたそうです。

「俺らの目的は米を売って商売することではなく、無農薬のお米を育てること」と、まず「農業」なのか「農」なのか目的の違いをはっきりさせた上で、「雑草を無くすと言う考えは良くないと思う。雑草が無いと田んぼに入らなくなり、稲の表情が解らなくなって良いお米が作れない」と。会合の場にいた全員がハッとしたことは言うまでもないでしょう。

最後に家づくりにしろ、農作物づくりにしろ感じなのは「自分の目で見て観察すること」と自給に必要な本質を伝えてくれました。

本質を突く佐野さんのメッセージ
佐野さんから発せられる言葉にはうわついたメッセージがありません。必然的に聞く方も真剣になります。佐野さんの素晴らしさはネットが発達しバーチャルな世界が凌駕する現代でも決して揺るがない、現実・本質主義であることだと思います。

それは今も自給ハウスの庭に生えている樹木が元々彫刻に使う目的で植えられたというエピソードからも伺い知ることがます。佐野さんが話すことは全て「自分がしてきたこと」。農業に従事し、その大変さを知った上で自らの信念を貫いている佐野さんのメッセージだからこそ伝わるのではないでしょうか。

自給自足の街を目標に掲げて始まったgd松戸。それは佐野さんのように全て自分で自給することをベースに、自分でできるものは自分で作り、足りないものは顔が見える範囲で補う、という考え方です。今回佐野さんにメッセージを頂いたことで、まだまだ足りない部分も多く見えました。一歩ずつですが松戸を自給的な街へと前進させていきたいと
思います!

みなさんも、真面目に悪ふざけができるMADな街、松戸を一緒に自給自足できる街に変えていきませんか?

※こちらのレポートはgreen drinks 松戸のHPにも掲載されています。